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ウスタビガ

ウスタビガのしゃしん

 
 冬、落葉した山で美しい緑色の繭(まゆ)を見かけることがあります。夏や秋には、木々の葉の中で保護色となって見えにくいのでしょう。穀類や塩などを入れた叺(かます)のような変わった形なので、すぐにウスタビガの繭と分かります。冬は抜け殻になっています。枝先にぶら下がっているので、吊り叺、山叺などと言います。上部には羽化するための出口が、下部には入った雨水を出す小さな穴が開いています。
 成虫は年一回、10~11月に羽化します。はねを開くと8~10センチメートル位あります。雄は黄褐色か橙褐色、雌は黄色で、ともに褐色の模様があります。4枚のはねに一つずつ半透明の大きな円い紋があるのが特長です。雄の前ばねの先は外側に突き出ていて、雌より細長い形です。雌は交尾の後、繭や近くの木の枝に産卵します。
 卵の状態で越冬し、春に孵化した幼虫は、クリ、コナラ、ハンノキなど色々な木の葉を食べて成長します。ずんぐりして毛はなく、背面は黄緑色、腹面は暗緑色です。胸部の背に一対の短い突起があります。幼虫に触ると、頭を持ち上げキーキーと音を出すそうです。6~7月に繭をつくり、中で蛹になります。
 本州、四国、九州の平地から山地に広く分布していて、熊野でもよく見ます。


【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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