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コバノガマズミ

コバノガマズミのしゃしん

 よく目立つ赤い実は、鳥を誘い分布を広げるのに効果的です。私も毎年一しきり眺めた後、一粒二粒口に運び「秋」を味わいます。実は甘酸っぱくて、果実酒にすると美しい赤色です。
 まずミヤマガマズミ、次にコバノガマズミ、約一ヵ月遅れてガマズミが咲きます。コバノガマズミの花期は4月後半~5月前半。先が5裂した小さな白い花が枝先に多数集まり、白い雄しべが突き出ています。清楚な花ですが、匂いは生臭くていただけません。虫を呼び寄せる匂いなのです。
 葉は対生し艶がありません。細かい毛に覆われていて優しい手触りです。葉柄が短く、ひげ状の托葉があるのがガマズミなどとの違いです。
 材は折れにくく鎌や鍬などの柄に、枝は柔軟性があって、たき木などを束ねるのに使われました。
 熊野町の呼び方を、以前父に尋ねると「イッショウ」だと教えてくれました。これは、広島県と岡山県に共通する方言です。ミヤマガマズミなどと区別しないでこの名で呼んでいます。
 関東以西、四国、九州の山に普通に生える落葉低木で、葉に艶のあるミヤマガマズミと共に町内でもよく見られます。葉に粗い毛のあるガマズミはもさもさした手触りで、町内ではやや稀です。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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