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ノアズキ

ノアズキのしゃしん

 たいていの花は左右対称で均整のとれた形ですが、この花は何とも奇妙な形をしています。そのアンバランスな面白さに、しばらく花を見つめてしまいます。
 花は8~9月頃咲き、長さは1.5~1.8センチメートルほど。黄色の蝶形をした花びらを、旗弁といいます。旗弁は左右で大きさが違います。その前にある竜骨弁も翼弁も左側に片寄って付いています。竜骨弁は白い角のように曲がっています。
 竜骨弁の中に雌しべと雄しべが入っています。虫が止まるとその重みで花粉が押し出され、虫の背中につく仕組みになっています。大切な花粉を効率的に使っているのです。
「野小豆(ノアズキ)」の名は、花や葉がアズキに似ているので付きました。しかし、豆果は長さ4~5センチメートル、幅8ミリメートルほどのさや豆のような形で、アズキの細長い豆果とは全然似ていません。
 葉は互生し、裏には赤褐色の腺点が散らばっています。葉がクズに似た形で小さいので「姫葛(ヒメクズ)」の別名があります。
 本州、四国、九州の日当たりの良い土手や林縁などに生える、つる性の多年草です。葉やつる、豆果などに短い軟毛があります。
 花がよく似たものにヤブツルアズキがあります。豆果は細長く無毛です。熊野町では確認されていません。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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