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ケヤマハンノキ

ケヤマハンノキのしゃしん
 
 春をみつけに出かけませんか。熊野の山で最初に咲く花の一つです。
 枝先に尾状に垂れ下がっているのが雄花穂で、2~5個つきます。黄褐色の雄花が密集しています。紅色の卵型が雌花穂で、3~5個。雌花の色が何とも言えず美しく、春が来る度ルーペでのぞきます。
 花は、葉が開く前に咲きます。葉に遮られずに、風に花粉を運んでもらえます。
 芽吹くと、夏の終わり頃まで順に1枚ずつ葉を開いていきます。開いた葉で光合成をして、得たエネルギーで枝を伸ばし次の葉を開いていくのです。「順次開葉型」の典型です。
 この方法では、芽鱗に包まれた冬芽をつくる余裕はありません。代わりに、春一番先に開く葉の托葉が厚くなって芽を守っています。
 葉は互生。長さ7~13センチメートルの幅広い楕円形です。5~8に浅く裂け、縁に鋸歯があります。毛は多いものから少ないものまであります。
 果穂は長さ1.5~2.5センチメートルの卵型です。小さな果実には狭い翼があり、秋落葉すると風に乗って飛んでいきます。
 日本全国に分布する落葉高木で、渓流沿いによく生えます。やせ地でも育つのは空中窒素を固定する根粒菌と共生しているからです。
 雲母(キララ)林道、海上側などでは、道路沿いで見られます。

【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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