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ザイフリボク

ザイフリボク
 
 寒い冬も、山はやっぱり楽しいのです。葉を落とした木々の美しい姿、葉が落ちて枝に残る葉痕(ようこん)、春を待つ冬芽・・・。
 最も好きな冬芽の一つが、ザイフリボクです。艶のある紅い芽鱗で、しばしば少し開き白い毛がのぞいています。この小さな冬芽から、春には10個ほどの花と葉が現れるのです。
 花は熊野町では、4月中旬から下旬ごろ。花の直径は約3センチメートル、細長く白い花びらが5枚あります。
 この花を、昔武将が兵を率いるのに用いた「采配(さいはい)」に見立て「采振木(ザイフリボク)」の名が付きました。また、神棚やしめ縄につける「四手」に似ているとして「四手桜(シテザクラ)」の別名もあります。
 葉は互生。長い柄があり、先が尖った楕円形で細かい鋸歯があります。
若葉の裏は白い軟毛が密生し、花期には木全体が白っぽくみえます。
 実は秋に熟し、黒紫色で直径6~10ミリメートルなど。宮島のサルも好物だそうです。
 県内の方言は、材が硬く薪を作るのが大変なのでジジイナカセ、杵に利用したのでモチギ、実が煮豆に似ているとしてニマメなど多数あります。
 岩手県以南に分布する落葉高木で、高さ5~10メートルほど。町内では大きいもので直径約15センチメートルですが、最大では直径50センチメートルになるそうです。


【写真・文】
緑花文化士 冨沢由美子

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