○熊野町入会林野等近代化事務取扱要領

平成18年3月17日

告示第28号

(趣旨)

第1条 入会林野等に係る権利関係の近代化の助長に関する法律(昭和41年法律第126号。以下「整備法」という。)の施行に関する事務の取扱いについては、整備法に基づく命令及び関係通達に定めるもののほか、この要領の定めるところによる。

(入会林野等整備計画の審査)

第2条 熊野町長(以下「町長」という。)は、入会権者の代表者等から整備法第3条の規定による入会林野整備計画又は整備法第19条の規定による旧慣使用林野整備計画の認可申請を受理したときは、次により、その内容を詳細に審査するものとする。

(1) 入会林野整備計画の審査

 整備法第3条、第4条及び第5条の規定に適合していること。

(ア) 整備計画認可申請書(様式第1号)に次の書類が添付されていること。

a 入会林野整備計画書

b 規約

c 入会権に係る慣行を記載した書面

d (エ)のd及びeに規定する者(関係権利者)の同意があったことを証する書面(様式第2号)

e 入会林野整備計画に係る土地の全部又は一部が農地又は採草放牧地(農地法(昭和27年法律第329号)第2条第1項に規定する農地又は採草放牧地をいう。以下同じ。)である場合には、農業委員会の意見書(意見を求めた日から40日を経過しても、これを得ることができなかった場合には、意見を得ることができなかった事情を明らかにした書面。fについても同じ。)

f 入会林野整備計画に係る土地の利用について、法令の規定による制限がある場合(森林法(昭和26年法律第249号)による保安林、自然公園法(昭和32年法律第161号)による国立公園又は国定公園、文化財保護法(昭和25年法律第214号)による文化財等)には、当該法令の施行について権限を有する行政機関の意見書(様式第3号)

g 入会林野の沿革及び現況を記載した書面(様式第4号)

h 入会林野の位置を示す地図

i 入会林野整備計画において定める土地の利用に関する計画の概要を示す図面

j 入会林野たる土地の登記簿謄本(全部事項証明書)

k 入会林野たる土地の分割又は合併を必要とする場合は、当該分割又は合併についての土地の地積の測量図(あらかじめ管轄の登記所の了解を得たものに限る。)

l 農地又は採草放牧地に係る権利を取得する入会権者の農業経営の状況を記載した書面

(イ) 規約及び入会林野整備計画書は、その対象とする入会林野に係るすべての入会権者がその全員の合意によって定めていること。

規約及び入会林野整備計画書の末尾にすべての入会権者が記名押印していること。

(ウ) 規約には、次の事項が記載されていること。

a 入会林野整備の実施に係る地域

b 入会林野整備に要する経費の分担の方法

c 代表者の選任の方法

d 代表権の範囲

e 事務所の所在地

f 会議に関する事項

g 業務の執行及び会計に関する事項

(エ) 入会林野整備計画書には、次の事項が記載されており、また、それ以外の事項が記載されていないこと。

a 整備の対象とする入会林野たる土地の所在、地番、地目及び面積

b aの入会林野に係るすべての入会権の内容並びに当該入会林野に係るすべての入会権者の氏名及び住所

c aの入会林野につき、入会権を消滅させることに伴い所有権又は地上権、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を取得させるべき各入会権者の氏名及び住所、当該各入会権者に取得させるべき権利の種類、当該権利に係る土地の所在、地番、地目及び面積並びに当該権利が所有権以外の権利である場合には、その存続期間、対価その他の条件

d aの入会林野につき入会権を消滅させることに伴い前cの各入会権者に所有権が移転されるべき土地又は同cの権利が設定されるべき土地の所有者の氏名若しくは名称及び住所並びに当該土地に消滅させるべき権利がある場合には、その種類及び内容並びに当該権利を有する者の氏名若しくは名称及び住所

e aの入会林野について存する所有権及び入会権以外の権利で前dの消滅させるべき権利でないもの(第三者に対抗することができる権利及びこれに設定されている権利を除く。)の種類及び内容並びに当該権利を有する者の氏名又は名称及び住所

f aの入会林野につき入会権を消滅させた後における当該土地の利用に関する計画(cの権利を取得させるべき入会権者の全部又は一部が当該権利を取得した後にその取得に係る権利の全部又は一部を生産森林組合又は農業生産法人に出資する計画がある場合にはその出資計画をも含む。)

g aの入会林野につき入会権を消滅させること及びこれに伴いcの各入会権者に所有権が移転され若しくは同cの権利が設定され又は入会権以外の権利が消滅することにより、金銭の支払又は徴収をする必要がある場合には、その相手方の氏名又は名称、金額及び支払い又は徴収の時期、方法その他の条件

h 入会権者でcの権利を取得させるべきこととされていないものがある場合には、その旨及びその理由

(オ) (エ)d及びeに規定する関係権利者について同意を得ていること。

 次のすべての要件に該当していることの確認(整備法第6条第2項各号に該当するか否かの確認)

a 手続き及び内容が違法でないこと(所定の書類を添付して申請がなされたかどうかなどの認可の申請の手続き、入会権者全員の合意により整備計画を定めたかどうかなどの整備計画の決定手続き及び所定の事項以外の事項を定めていないかどうかなどの整備計画の内容が法令等に違反していないかを審査する。)

b 農林業上の利用の増進が図られることが確実であること(入会林野整備により入会林野の農林業上の利用の増進が図られるかどうかを、主に土地の利用計画に着目して入会林野の自然的、経済的諸条件、各入会権者の農林業経営の状況、生産森林組合又は農業生産法人に出資し、協業経営を行うものにあっては、その出資に関する計画等その他の条件を総合的に勘案して判断するとともに、農業構造改善事業、林業構造改善事業、草地改良事業などの事業の効率的な実施を促進することとなるものであるかどうかを判断する。)

c 権利の集中その他の不当な利益を生じさせるものでないこと(入会林野整備は入会権者の農林業経営の健全な発展に資するために行われることにかんがみ、入会権を消滅させることにより不当に入会権者に不利益を生じることがないように、入会権者が取得した権利が従前の内容と比較して社会通念上適当なものであるかどうか、入会権者が権利の取得を放棄した場合にその放棄は正当な理由によるか正当な対価が支払われたかどうかなどを審査する。)

d 農地法の規定について抵触するものでないこと(入会林野の全部又は一部が農地又は採草放牧地であり、それについて、所有権、賃貸借等の権利の設定又は移転が定められている場合の審査基準であるが、入会林野整備計画の認可公告があると農地法第3条第1項の権利移動の許可があったものとみなされるので、これらの認可をする場合と同じ審査をここで行おうとするものである。なお、その審査に当たっては、農地主管部局と十分意見の調整を行うこととする。)

(2) 旧慣使用林野整備計画の審査

 整備法第19条、第20条及び第21条の規定に適合していること。

(ア) 整備計画認可申請書(様式第5号)に次の書類が添付されていること。

a 旧慣使用林野整備計画書

b 旧慣を記載した書面

c (オ)のcに規定する者(関係旧慣使用権者)の同意があったことを証する書面(様式第6号)

d すべての旧慣使用権者の意見の内容を記載した書面(様式第7号)

e すべての旧慣使用権者が旧慣使用権以外の権利の目的としていないことの確認を得たことを証する書面(様式第8号)

f 旧慣使用林野整備計画につき町又は財産区の議会等の議決があったことを証する次の2つの書面

(a) 旧慣使用林野整備を行うことについての議決(整備の基本方針について)(様式第9号)

(b) 旧慣使用林野整備計画についての議決

この議決は、次の区分により、町又は財産区が行うこととする。

(i) 町の所有に属する旧慣使用林野の場合……町の議会

(ii) 議会又は総会が設けられている財産区の所有に属する旧慣使用林野の場合……当該財産区の議会又は総会

(iii) 議会又は総会が設けられていない財産区の所有に属する旧慣使用林野の場合……町の議会

なお、財産区管理会が置かれているときは、財産区管理会の同意があったことを証する書面を併せて添付すること。

g 旧慣使用林野整備計画に係る土地の全部又は一部が農地又は採草放牧地である場合には、農業委員会の意見書(意見を求めた日から40日を経過しても、これを得ることができなかった場合には、意見書を得ることができなかった事情を明らかにした書面。hについても同じ。)

h 旧慣使用林野整備計画に係る土地の利用について法令の規定による制限がある場合(森林法による保安林、自然公園法による国立公園又は国定公園、文化財保護法による文化財等)には、当該法令の施行について権利を有する行政機関の意見書

i 旧慣使用林野の沿革及び現況を記載した書面(様式第4号)

j 旧慣使用林野の位置を示す地図

k 土地の利用に関する計画の概要を示す図面

l 旧慣使用林野たる土地の登記簿謄本(全部事項証明書)

m 旧慣使用林野に電線路施設用地その他公共の用に供されている施設の用地がある場合には、それらの権利の種類と内容を記載した書面

n 土地の分割又は合併をする場合の土地の地積の測量図(あらかじめ管轄の登記所の了解を得たものに限る。)

o 農地又は採草放牧地に係る権利を取得する旧慣使用権者の農業経営の状況を記載した書面

(イ) 旧慣使用林野整備を行うことについて、あらかじめ次の基本方針について町の議会(当該旧慣使用林野が議会又は総会が設けられる財産区の所有に属する場合には、当該財産区の議会又は総会。以下同じ。)の議決を得ていること。

基本方針

a 旧慣使用林野整備の対象とする林野の範囲

b 旧慣使用林野整備後における土地利用の形態

c 旧慣使用林野整備後における経営の形態

d 旧慣使用林野整備後における権利の形態

e 旧慣使用林野整備と、旧慣使用林野につき実施され、又は実施が予定されている農林業上の利用を増進するための他の事業で国若しくは県が行うもの又はこれらの補助に係るものとの関連

f その他旧慣使用林野整備に関する基本的事項

(ウ) 旧慣使用林野整備計画を定めるについて、その対象とする旧慣使用林野に係るすべての旧慣使用権者の意見を聞くとともに、それらの者が当該旧慣使用林野を、旧慣使用権以外の権利の目的としていないことの確認を得ていること。

(エ) 旧慣使用林野整備計画につき、町の議会の議決を得ていること。

(オ) 旧慣使用林野整備計画には、次の事項が記載されており、又はそれ以外の事項が記載されていないこと。

a その対象とする旧慣使用林野たる土地の所在、地番、地目及び面積

b aの旧慣使用林野に係るすべての旧慣使用権の内容並びに当該旧慣使用林野に係るすべての旧慣使用権者の氏名及び住所

c aの旧慣使用林野につき、旧慣使用権を消滅させることに伴い所有権又は地上権、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を取得させるべき各旧慣使用権者の氏名及び住所、当該各旧慣使用権者に取得させるべき権利の種類、当該権利に係る土地の所在、地番、地目及び面積並びに当該権利が所有権以外の権利である場合には、その存続期間、対価その他の条件

d aの旧慣使用林野につき、旧慣使用権を消滅させた後における当該土地の利用に関する計画

e aの旧慣使用林野につき、旧慣使用権を消滅させること及びこれに伴いcの各旧慣使用権者に所有権が移転され又は同cの権利が設定されることにより、金銭の支払い又は徴収をする必要がある場合には、その相手方の氏名又は名称、金額及び支払又は徴収の時期、方法その他の条件

f 旧慣使用権者でcの権利を取得させるべきこととされていないものがある場合には、その旨及びその理由

 次のすべての条件に該当していることの確認

(整備法第22条第1項各号に該当するか否かの確認)

(ア) (1)のイのa、cdに規定する条件

(イ) 旧慣使用林野の整備をすることが他の事業(農林業上の利用を増進するために国又は県が行う事業若しくは国又は県の補助に係る事業)の効率的な実施を促進するために必要であること。

その他の事業としては、農業構造改善事業、林業構造改善事業、草地改良事業、パイロット事業等ある程度広域にわたり行われているものに限られていること。

(入会林野等整備計画書の町長の審査等)

第3条 町長は、前条により書類を受け取ったときは、その内容を詳細に審査し、入会林野整備計画又は旧慣使用林野整備計画(以下「入会林野等整備計画」という。)の適否を決定し、次により処理するものとする。

【入会林野整備の場合】

(1) 適当である旨の決定をしたとき

町長は、整備計画が適当である旨を申請者に通知し、当該決定後2週間以内にその旨を公告するとともに整備計画書の写しを公告の日から30日間公衆の縦覧に供する。

(2) 適当でない旨の決定をしたとき

町長は、整備計画が適当でない旨の決定をした場合は、認可申請却下通知書により当該認可申請を却下する。

【旧慣使用林野整備の場合】

第7条(計画の認可、公告等)を参照のこと。

(異議の申し出)

第4条 町長は、異議の申出を受けたときは、遅滞なく文書をもって、次により処理するものとする。

(1) 異議の申出が期間経過後にされたものであるとき、その他不適法である場合

行政不服審査法(平成26年法律第69号。以下「審査法」という。)第45条第1項の規定により当該申出を却下する。

(2) 異議の申出が適法ではあるが、理由がない場合

審査法第45条第2項の規定により、当該申出を棄却する。

(3) 異議の申出が適法である場合

申請人代表者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に異議申出人との協議をすべき旨を命ずる。

(協議結果の報告)

第5条 前条の規定により協議すべきことを命ぜられた申請人代表者は、調停の申請をする場合を除き、前条による期間の満了する日の翌日から起算して10日を経過する日までに、その協議の結果を町長に報告しなければならない。

(調停)

第6条 町長は、整備法第8条第1項に基づく調停の申請を受けたときは、速やかに当事者の意見を聞いて調停案を作成し、当該調停案を当事者に示して、その受諾を勧告し、調停の成立に努めるものとする。

(計画の認可、公告等)

第7条 町長は、整備法第11条第1項及び第22条第1項の規定により、入会林野等整備計画の認可をしたときは、直ちにその旨を整備計画認可書により、申請者に通知するものとする。この場合、整備後生産森林組合又は農業生産法人に移行するものについては、そうした法人の設立時期、運営状況等を充分検討のうえ処理するものとする。

2 町長は、前項により、入会林野整備計画の認可をしたときは、その旨を公告するとともに当該認可に係る入会林野整備計画書又は旧慣使用林野整備計画書を所轄の登記所に送付するものとする。

(認可申請の却下)

第8条 町長は、整備法第10条第1項の規定により入会林野整備計画の認可の申請を却下したときは、遅滞なくその旨を申請者及び異議申出人に通知するものとする。

(嘱託登記)

第9条 町長は、第7条第2項の規定により公告がなされたときは、整備法第14条第2項又は第3項(同法第23条第2項において準用する場合を含む。)による必要な登記を嘱託しなければならない。

2 前項の規定による嘱託登記は、代位登記、本登記及び現物出資による登記の三種類とし、次により処理するものとする。

(1) 代位登記(整備法第14条第1項及び入会林野等に係る権利関係の近代化の助成に関する法律による不動産登記に関する命令(以下「登記政令」という。)第2条に規定する登記)

登記の種類及び被代位者は次表のとおりである。

登記の種類

被代位者

1 土地の分筆

所有者

2 土地の表示の登記

所有者

3 土地の表示の変更の登記

登記簿の表題部に所有者として記載された者又はその相続人

4 土地の表示又は登記名義人の表示の変更の登記

所有権の登記名義人又はその相続人

5 所有権の保存の登記

登記簿の表題部に所有者として記載された者又はその相続人

6 相続による所有権の移転の登記

相続人

(2) 本登記及び現物出資による登記

本登記及び現物出資による登記の実施については、不動産登記法、登記政令、登記政令等に基づく通達等により行うものとする。

3 町長は、前2項による登記が完了したときは、その旨を認可申請者に通知するものとする。

(雑則)

第10条 前各条に定めるもののほか、入会林野等に係る権利関係の近代化の助長に関する法律の施行について必要な事項は町長が定める。

この要領は、平成18年4月1日から施行する。

(平成28年3月31日告示第56号)

この要領は、平成28年4月1日から施行する。

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熊野町入会林野等近代化事務取扱要領

平成18年3月17日 告示第28号

(平成28年4月1日施行)